🇵🇭 フィリピン進出

フィリピン進出、ITの準備は
できていますか?

オフィスを借りて、社員を雇って——でも業務システムの計画は後回しになっていませんか?現地でゼロから立ち上げた経験をもとに、本当に必要なIT準備をお伝えします。

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よくある失敗パターン

フィリピンに拠点を立ち上げた日系企業が、IT面で最もよくやってしまう失敗:

日本のシステムをそのまま使おうとする

本社のSAPやOracleのライセンスを追加しようとして、見積もりを見て断念。結局Excelで走り出す。

ツールを入れすぎる

チャットはSlack、プロジェクト管理はAsana、CRMはHubSpot、経費精算はConcur。ツールが増えるほど、情報が分散して誰も全体を把握できない。詳しくは日本語対応CRMの構築方法をご覧ください。

通信環境を甘く見る

フィリピンのインターネットは日本ほど安定していない。クラウドサービス前提の設計が、オフライン対応なしでは現場で使えない。

セキュリティが後回し

共有PCでパスワードを付箋に貼っている。USBメモリでデータを持ち運んでいる。情報漏洩リスクに気づくのは、問題が起きてから。

フィリピン拠点のIT — 本当に必要なものだけ

10〜50名規模のフィリピン拠点に本当に必要なシステムは、実はそこまで多くありません:

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業務アプリ基盤

顧客管理、日報、経費精算、承認ワークフロー、在庫管理。これらをひとつのプラットフォームで構築できるのがキントーン。詳しくは承認ワークフローのデジタル化をご覧ください。

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コミュニケーション

社内連絡にはGoogle WorkspaceかMicrosoft 365。キントーンのコメント機能でデータに紐づいたコミュニケーションも可能。

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会計・給与

フィリピンの税制(BIR)と労務法規(SSS, PhilHealth, Pag-IBIG)に対応した現地の会計ソフトが必要。Xero、QuickBooks、またはローカルのJuan Taxなど。

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セキュリティ

クラウドベースのシステムを使えば、デバイス紛失時のリモートワイプ、アクセス権限の管理、データの自動バックアップが標準装備。

💡 ポイント:「ひとつのプラットフォーム」で始める

5つのツールを契約するのではなく、キントーンという「ひとつのプラットフォーム」で、必要な業務アプリをすべて構築する。ツール間の連携不要、ログイン画面もひとつ、月額1,000ペソ〜/ユーザー。フィリピン進出初期のIT環境としては、これが最もシンプルかつ効果的です。

IT準備チェックリスト

  1. インターネット回線:PLDT FiberまたはGlobe Fiber。バックアップ回線も必ず確保。冗長構成が基本。
  2. クラウドメール:Google WorkspaceまたはMicrosoft 365。独自ドメインのメールアドレスで。
  3. 業務アプリ:キントーンで顧客管理、日報、経費精算、承認フロー、プロジェクト管理を一元構築。
  4. 会計ソフト:BIR準拠の会計ソフト(Xero、QuickBooks、またはローカル製品)。
  5. セキュリティ:全PCにウイルス対策ソフト。クラウドサービスは二要素認証を必須に。
  6. VPN:日本本社との安全な通信が必要な場合。ただしキントーンはクラウドなので、VPNなしでもセキュアにアクセス可能。

フィリピンのインターネット事情 ── 現実を知る

フィリピンのインターネット環境は急速に改善していますが、日本と比べるとまだ大きなギャップがあります。進出前に現実を把握しておくことが重要です。

固定回線:PLDT FiberとGlobe At Homeが二大プロバイダーです。マニラ首都圏のオフィスエリアでは、PLDTのEnterprise Fiber(帯域保証型)で月額5,000〜20,000ペソ(約13,000〜54,000円)。速度は50Mbps〜1Gbpsですが、実効速度は契約速度の60〜80%程度と考えてください。日本のように「当たり前に速い」環境ではありません。

冗長構成は必須。フィリピンでは停電、台風、工事による回線断が珍しくありません。メインをPLDT、バックアップをGlobeというように、異なるプロバイダーの2回線を引くことを強く推奨します。コストは月1万ペソ程度増えますが、「ネットが落ちて業務停止」のリスクを考えれば安い投資です。

モバイル回線:Smart(PLDTグループ)とGlobe Telecomの2社が主要キャリアです。5Gは2026年現在、マニラ首都圏の一部エリアで利用可能。4G LTEはほぼ全国カバー。モバイルルーターをオフィスのバックアップ回線として使う企業も多いです。

セキュリティ ── 日系企業が見落としがちなリスク

フィリピン拠点のセキュリティは、日本と同じ基準では足りません。現地特有のリスクに対応する必要があります。

物理的セキュリティ:オフィスの施錠、PCのワイヤーロック、USBポートの無効化。「共有PCでパスワードを付箋に貼る」という光景はフィリピンのオフィスで日常的に見られます。クラウドサービス+二要素認証の組み合わせにより、デバイス紛失時のリスクを最小化することが重要です。

退職者のアクセス権管理:フィリピンの離職率は日本の2〜3倍です。退職者のアカウントが放置されるケースが多く、退職日に即座にアクセスを遮断するプロセスを確立する必要があります。キントーンやGoogle Workspaceなら、管理画面からワンクリックでアカウントを無効化可能です。

フィリピンのデータ保護法(DPA / Republic Act 10173):2012年に施行されたフィリピンのデータプライバシー法は、個人情報の収集・処理・保管に関する規制を定めています。日系企業も対象です。従業員の個人情報、顧客データの取り扱いにはDPA準拠の体制が必要です。クラウドサービス(キントーン等)はデータの暗号化、アクセスログの自動記録、権限管理がシステムレベルで提供されるため、DPA対応の負荷を大幅に軽減します。

コスト試算 ── 10人拠点の月額IT費用

項目推奨サービス月額費用(ペソ)
インターネット(メイン)PLDT Enterprise Fiber₱10,000
インターネット(バックアップ)Globe Business₱5,000
クラウドメールGoogle Workspace Business Starter₱4,800(₱480×10)
業務アプリ基盤キントーン₱10,000(₱1,000×10)
会計ソフトXero / QuickBooks₱2,000〜5,000
セキュリティウイルス対策+MDM₱3,000
合計₱34,800〜37,800

月額約35,000〜38,000ペソ(約95,000〜103,000円)で、10人拠点の業務基盤が整います。日本本社のSAPやOracleのライセンスを追加する場合と比較すると、1/10以下のコストです。

💡 「キントーン1本」戦略のメリット

上記のうち、CRM・ワークフロー・プロジェクト管理・日報・在庫管理をすべてキントーンでカバーすると、別途SaaSを3〜5本契約する必要がなくなります。Salesforce(CRM)、Kissflow(ワークフロー)、Asana(プロジェクト管理)を個別契約した場合の月額と比較すると、キントーンの₱10,000/月は圧倒的にコスト効率が高いです。

進出直後に「やりがちな失敗」とその対策

失敗1:「日本のVPNで全部つなぐ」。本社のVPN経由でないとシステムにアクセスできない構成にしてしまい、VPNの帯域がボトルネックになって業務が遅延する。対策:クラウドサービスを基本とし、VPNは機密性の高い通信のみに限定する。

失敗2:「ツールを現地スタッフに選ばせる」。各部門が好きなツールを導入した結果、SaaS契約が10本以上に膨れ上がり、データが分散し、誰も全体を把握できない。対策:IT環境の設計は進出前に完了させ、統一プラットフォーム(キントーン+Google Workspace)で始める。

失敗3:「会計ソフトを後回しにする」。営業を急ぐあまり会計システムの導入が遅れ、最初の四半期の経費記録がExcelの散在ファイルに。BIR(フィリピン国税庁)の申告時に大混乱。対策:進出初日からBIR準拠の会計ソフト(Xero、QuickBooks等)を稼働させる。

PEZA登録企業の特別な考慮事項

PEZA(フィリピン経済区庁)に登録された企業には、IT関連でいくつかの特別な要件があります。

まず、PEZAエリア内ではISP(インターネット接続プロバイダー)の選択肢がエリアによって限定される場合があります。契約前にビル管理会社に確認してください。次に、PEZA登録企業はデータの越境移転に関する規制に注意が必要です。ただし、キントーンのようなクラウドサービスの利用自体はPEZA規制に抵触しません。最後に、PEZA企業はIT機器の免税輸入が可能ですが、手続きに2〜4週間かかるため、進出スケジュールに織り込んでおきましょう。

クラウド vs オンプレミス ── フィリピン拠点での正解

「自社サーバーを置くか、クラウドにするか」は、フィリピン進出企業のIT担当者が最初に直面する判断です。結論から言えば、2026年のフィリピンではクラウド一択です。理由を3つ挙げます。

理由1:電力の不安定さ。フィリピンでは計画停電(brownout)が珍しくなく、マニラ首都圏でも年に数回は発生します。自社サーバーにはUPS(無停電電源装置)と発電機が必須となり、それだけで月額₱15,000〜30,000のコスト増になります。クラウドサービスなら電力管理は完全にプロバイダー側の責任です。

理由2:物理セキュリティの確保が難しい。サーバールームの温度管理、入退室管理、防災対策をフィリピンで実現するには、日本以上のコストがかかります。特に台風シーズン(6月〜11月)の浸水リスクを考慮すると、サーバーの物理的な安全確保は大きな負担です。クラウドならデータセンターのプロフェッショナルがすべて管理します。

理由3:IT人材の確保。フィリピンはIT人材が豊富な国ですが、日系企業の小規模拠点では「社内にサーバー管理者を置く余裕がない」のが実情です。クラウドサービスを基盤にすれば、サーバーの保守・アップデート・バックアップはプロバイダーが自動対応。ITの専門知識がなくても運用できます。

日本本社との情報共有 ── ベストプラクティス

フィリピン拠点と日本本社の情報共有は、多くの日系企業の悩みの種です。メールでExcelファイルを添付、チャットで状況報告、Zoomで週次会議——これらを組み合わせて運用しているのが現状でしょう。

キントーンを導入することで、この情報共有が劇的に改善します。フィリピンのスタッフが日報を書けば、日本の本社管理者は同じ画面でリアルタイムに確認可能。営業パイプラインの更新があれば、日本からも同じダッシュボードで最新数字を把握。月次報告書を別途作成する必要がなくなります。

時差(日本とフィリピンの時差は1時間)もほぼ問題にならないため、「朝フィリピンで入力したデータを、日本のオフィスで確認して、コメントで指示を出す」という非同期コミュニケーションが自然に成立します。全社の業務改善について詳しくは日系企業のDX推進ガイドをご覧ください。

よくあるご質問

Q. フィリピン進出に必要なIT環境の月額コストはいくらですか?

10人規模の拠点で、インターネット・メール・業務アプリ・会計ソフト・セキュリティを合わせて月額約35,000〜38,000ペソ(約95,000〜103,000円)が目安です。日本本社のERPライセンスを追加するより大幅にコストを抑えられます。

Q. フィリピンのインターネットは業務に支障がないレベルですか?

マニラ首都圏のオフィスエリアでは、PLDT FiberやGlobe Fiberで安定した接続が得られます。ただし停電や台風による断線リスクがあるため、異なるプロバイダーの2回線構成を推奨します。

Q. 日本本社のシステム(SAP、Oracle等)をフィリピンでも使えますか?

技術的には可能ですが、ライセンス追加費用が高額(年間数百万〜数千万ペソ)になるケースが多いです。フィリピン拠点の規模では、キントーンのようなクラウドサービスで業務基盤を構築し、必要なデータのみ本社システムと連携する方がコスト効率的です。

Q. フィリピンのデータ保護法(DPA)にはどう対応すればいいですか?

フィリピンのDPA(Republic Act 10173)は個人情報の取り扱いに関する法律です。クラウドサービス(キントーン、Google Workspace等)はデータの暗号化・アクセスログ・権限管理が標準装備されており、DPA対応の基盤として活用できます。

Q. PEZA登録企業に特別なIT要件はありますか?

PEZA登録企業はIT機器の免税輸入が可能ですが、手続きに2〜4週間かかります。また、PEZAエリア内のISP選択肢が限定される場合があるため、事前にビル管理会社に確認してください。クラウドサービスの利用はPEZA規制に抵触しません。

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